会社勤めから開業される方へ

会社に勤めながら開業準備される方は多いと思います。

そのお勤めでのスキルを活かす方もあるでしょうし、

趣味や興味を持っていたものを極めてという方もおられるでしょう。

なんであれ、今まで毎月きちんと安定したお給料が入っていたので気にならなかったことや、会社の誰かがしてくれていたことが自分がしなければならなくなります。

 

雇用保険

これは失業の可能性を考えて、給料から天引きされたものと会社が負担してくれたものとが原資となっています。

自分の為に僅かずつでも掛けていたとはいえ、独立開業の為に会社を辞めているので、この失業保険はもらえません。

独立したてで思うように売上が上がらないと生活費の不安も出てくるかもしれません。

 

それと労災保険

労災保険は会社が全額負担して保険料を払っています。

仕事中や通勤途中の怪我等があった場合に労災保険から支払いがされます。

これも会社が全てしてくれてたので安心して働けた訳ですが、自分が事業主の場合には労災保険は掛けられません。先に書きました雇用保険も同様に掛けられません。

つまり、怪我や事業を廃業した場合のリスクは自分で何とかしなければならないのです。

 

健康保険

病気をしたり怪我をしたときに病院に行きますよね。健康保険に加入していなければ全額自費払いになってしまいます。

会社勤めなら会社の健康保険(協会けんぽ等)に加入しているので窓口で3割負担するだけでした。

日本は国民皆保険制度です。何らかの保険に加入しなければなりません。

会社の健康保険を脱退したのなら一般的には国民健康保険に加入することになります。

国民健康保険の保険料は前年度の所得をベースに計算しますので、年収が多い方の国民健康保険料は高額になってしまいます。

会社の健康保険等が任意継続できるのでしたらその方が保険料が安く済むかもしれません。2年間は継続できます。

国民健康保険か健康保険かどちらが有利かは計算すればわかります。

仮に任意継続が有利だった場合としても、2年めは国民健康保険の方が有利になるかもしれません。

やはり計算をして有利か不利か検討すべきです。

 

年金

年金も厚生年金等から国民年金に変更しなければならなくなります。

 

今まで深く考えていなかったことだったりしませんか?

労災保険や雇用保険、健康保険、年金

会社に勤めていれば色々な形で守られていた訳です。

これからは自分のことは全て自分が守らなければなりません。

でもその代わりにやり甲斐や自由というものが手に入ります。

 

独立の道を選んだのでしたら、長く続けていけるようこの他にも考えなければならないことは沢山ありますが、必ず応援してくれる人、助けてくれる人が現れますので頑張って行きましょう!

 

税理士 松井千春

2017,1,7