個人事業の節税策としては『小規模企業共済』というものがあります。
今朝の日経新聞にも出ていたのですが、以外に知られていないと記事にはあります。
それは税理士に依頼していない方が多いからでしょうね。
最近はITのおかげで企業などにお勤めじゃなく独立してお仕事をされている方が多くなっていると思います。
フリーランスと言うことばをよく聞くようになりましたよね。
フリーランスの場合、会社から給料を貰うわけじゃないので『事業所得』として確定申告が必要になります。
安定した収入になるまでは
小規模な事業所だから
という理由で税理士に依頼されない方はたくさんおられます。
それは仕方ないことなのですが、そのせいで優遇税制や節税策を知らずにいるのはもったいないですね。
今はインターネットですぐに調べられる時代です。
国税庁のホームページなども活用しましょう(わかりにくいところも多々ありますが^^;)
タックスアンサー 所得金額から差し引かれる金額(所得控除)を見てみてください。
たくさんの控除があります。
該当するのに、申告書に書いていないなんてことはないですか?
所得とは、事業所得の場合なら以下の算式になります。
事業収入(売上等) - 必要経費 - 青色特典控除※ = 事業所得
※青色申告特典控除は、青色申告の承認を受けなければなりません。記帳方法により10万円又は65万円
所得控除は、事業所得など各種所得の合計額から控除できるものですので、所得控除が多ければ多いほど税金が少なくなります。
所得控除も沢山ありますが、その中の社会保険料控除と小規模企業共済等掛金控除は、支払った保険料、掛金の全額が控除できます。
社会保険料控除のうちの健康保険料や介護保険料はいわば掛け捨てのものですね。
国民年金や厚生年金等はいずれ受給できますが掛金額を自由に選択することはできません。
小規模企業共済は月額1,000円~7万円までの範囲で掛金を選択できます。年間最大で84万円です。
この部分の税金が少なくなるわけです。
所得税率が20%の方なら、住民税と併せると30%の税率となりますので、
84万円×30%=25.2万円も安くなります!
(説明を簡便にするため復興特別所得税については省いています。)
この小規模企業共済は個人事業主が自分で積み立てる退職金です。
毎年の積み立て部分に税金がかからなくて、
受取る時には、退職金として一時に受け取ることも、年金として分割で受け取ることも可能です。
自分の老後のために定期預金などの積立てをしても、その積み立て部分は税金がかかりますし、今は利回りもかなり悪いですしね(-_-;)
ただ、注意が必要なのが中途解約です。
事業をやめたり、子供に事業を譲ったりした場合や、15年以上積み立てていて65歳以上になったので受け取る場合は元本以上を受取れるのですが、20年未満の中途解約だと元本割れするんです。
最初は7万円掛けていたけど、業績が思わしくなくて止めたいとなると損をしてしまいます。
ただ、掛金は先ほども書いたように1,000円からなので、最低でも年間12,000円支払続ければ元本割れはせずにすみます。
余裕がでてきたらまた掛金を増額すればいいですよ。
これから小規模企業共済制度に加入されるのでしたら、29年中に支払った額が来年の確定申告で控除できます。
また、この小規模企業共済は1年分を前払することが可能です。
うっかり加入を忘れていても、年内の所定の期日までに手続きを済ませて、前納金(最高で84万円)を払い込みことができればその金額を控除できます。
加入手続きの窓口は、
委託団体
- 商工会
- 商工会議所
- 中小企業団体中央会
- 事業協同組合
- 青色申告会
又は金融機関の本支店になります。(平成29年1月16日現在の金融機関一覧)
老後のための積み立てをしながら節税ができますよ。
長く掛けたほうが受取額も多くなるので起業したなら早めに加入されることをお勧めします。
税理士 松井千春
2017,2,1