医療費控除のここが間違いやすい!

2月に入っていよいよ確定申告の準備を始まるという方が多いのではないでしょうか?

今日は、医療費控除について間違いやすい点をいくつかご紹介しようと思います。

 

1. 親の医療費

同居等をしている親や別居でも子からの仕送りで生活をしている親にかかった医療費は、子供がその支払をすれば子供の医療費控除の対象になります。

ですが、生計が同一でない親の医療費を子供が負担しても医療費控除の対象にはできません。

医療費控除の対象は、「自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費」に限定されています。

 

2. 医療費の補てん金額が医療費よりも多かった場合

例 ①入院・治療費の支払額 15万円 保険会社からの補てん金 20万円

②①以外の医療費等の支払額 12万円 補てん金 0円

この場合、年間の医療費が27万円で補てん金が20万円なので差額7万円が医療費控除の対象だと思っておられる方があります。

7万円だと所得の5%(ただし最高で10万円)以下の為に医療費控除の対象にならないと思ってしまいがちですが、

医療費控除は補填の対象となる医療費毎に補てん金の差引計算を行います。

上の例では、①は補てん金の方が多いので医療費控除の対象は0円、②は補てん金等がないので12万円

この12万円が医療費控除の対象になりますよ。

 

3. 医療費を払った人と補てん金の受取人とが違う場合

例えば奥さんの入院治療費をご主人が15万円支払しました。この入院について奥様は自分が掛けている生命保険から入院の補てん金として10万円受取りました。

この場合、ご主人は15万円を医療費控除の対象にしていいのでしょうか?

答えはNOです。医療費の補てんを目的として支払を受ける保険金等である限り、その医療費から差引しなければならないです。

 

4. 海外で医療を受けた場合

海外旅行中等に現地で治療を受けて支払った医療費も医療費控除の対象になります。

ただし、海外赴任中等で非居住者(1年以上日本に住所を有していない)となる年分については医療費控除を申告することができません。

 

まだまだ間違いやすい事例がありますのでご注意ください。

 

 

税理士 松井千春

2017,2,7

2017年2月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : 松井千春