分離課税には源泉分離課税と申告分離課税があります。
源泉分離課税は、収入から直接徴収して他の所得と分離して課税するものです。
預貯金の利子や上場株式等に係る配当所得等、源泉ありの特定口座内で行う上場株式等の譲渡所得等などが対象です。
このうち、上場株式等に係る譲渡所得等や配当所得等は申告することも可能です。
既に源泉徴収で課税が終わっているのに何故かって?
それは前年以前の譲渡損と差引したり、他の特定口座との通算で源泉された税金を還付してもらうことができるからです。
申告分離課税は、土地建物等の譲渡、上場株式等に係る配当所得等(申告不要もあり)、上場株式等に係る譲渡所得等(源泉なし)、一般株式等に係る譲渡所得等、先物取引の事業所得・雑所得、山林所得、退職所得があります。
こちらは申告時に総合課税の所得や他の分離課税の所得と分離して税額を計算します。
退職所得も退職所得控除額を超える部分は源泉徴収されますので一年に複数の退職所得がなければ申告は不要な場合が多いです。
但し、「退職所得の需給に関する申告書」を会社に提出していない方は20.42%(復興特別所得税含む)で源泉徴収されていますので申告が必要です。
基本申告不要の退職所得で源泉徴収された税額が戻る場合があります。
総合課税で引ききれなかった所得控除額がある場合
総合課税の損失と退職所得を損益通算できる場合
損失の繰越控除を退職所得から控除できる場合
損益通算、損失の繰越控除ともに通算・控除の順番が決まっているので注意が必要です。
数年前、無料相談の当番だったときにある老婦人がお友達の言葉としてこんなことを言っておられました。
一生懸命に事業をして懸命に働いた結果、税率は総合課税のためすごく高くなったのに、
株式を売って儲けている人はどんなにたくさん設けても20.315%(復興特別所得税含む)だけなんて!と。
もしかしたらその頃は10%だったかもしれません(;’∀’)
景気対策等で上場株式等の譲渡益や配当所得等に対する税率は一律ですので、超過累進税率の総合課税より有利になることがあります。
なんだかなぁ….と思っておられる方もありますよね。
個人所得税は所得の種類、所得それぞれの計算方法や申告不要制度などとても複雑です。
今回4回にわたって書いてきましたが書き足りないというか、説明しきれないとういうか。
説明すればするほど難しい言葉になってしまって(汗)
自分の場合はどうなの?
気になる方は是非ご相談ください。
税理士 松井千春
2017,2,21